
多くの幕末の・維新のリーダーを育て上げた吉田松陰。
幕末の長州藩士、思想家、教育者として名を知られ、
吉田松陰は数多くの優れた弟子を世に送り出したことで有名である。
高杉晋作、伊藤博文、山縣有朋、木戸孝允など、弟子たちは歴史上そうそうたる面々である。
彼ら弟子たちは吉田松陰から何を学んだのだろうか。
本書では「講孟剳記」「幽囚録」「留魂録」など、松陰の膨大な著書のほか、恩師や弟子、家族にあてた書簡などから珠玉の名言を集め、現代の言葉に訳している。
吉田松陰の人生や当時の時代背景と照合して解説も含まれている。
リーダーシップを執るにおいても大切なことが多々記載されているが、人生訓としての学びも多く得られる一冊だ。
さっそくご紹介しよう。
吉田松陰に学ぶリーダーになる100のルール
本書は、各格言と共に解説が記載されている内容で構成されている。
第1章:人がついてくるリーダーの行動特性 第2章:深い知性を得るために 第3章:人を導くときのルール 第4章:機能するチームの作り方 第5章:プロジェクトを成功させる極意 第6章:リーダーとしての心の磨き方
上記の構成になっている。
私自身の中で、特にピンときた言葉をご紹介したいと思う。
・私は生き延びようともしなかったし、やがて死ぬだろうとも考えなかった。ただ、自分に誠実であるか、それだけが問題であった。あとは天の命じるままになりゆきに身をゆだねたまでである。
この言葉にはただ「自分に誠実であること」に徹しようとする松陰の生き様が現れている。私利私欲や損得勘定が含まれていない生き方。自分が何を成し遂げるべきか、この大切さは現代でも通じるものだあるだろう。
翻って、自分自身はどうだろうか。物心ついてからの半生を振り返ってみると、少なくとも私は「自分に誠実に生きる」ことが欠けていたと思う。
・チャンスが訪れたときに、仕事を成し遂げられずそのチャンスを逃してしまうのは人として罪だ。
チャンスは平等に人に訪れる。しかし、そのチャンスを掴む握力は普段から鍛えておかないといけない。普段からの準備があってこそ、チャンスを掴むことが出来るのである。
・自分で苦労を招いているだけだ。
松陰曰く、「自暴自棄」という言葉があるように、苦労や心配事というのは、自ら招いているものであると。自分を見下して行動していると、どんどん負のスパイラルに突入していく。自分は出来ないと思っているから、本当に出来ない。自分はどうせ苦労すると思っているから本当に苦労する。自分のことをバカにしているから、人からバカにされる。
自分を見下していいことはない。
「謙遜」と「卑下」は全く意味が違う。
苦労の原因がどこにあるのか気づかないといけない。
・人々にさげすまれ、虐げられたときこそ、本当の英雄かどうかがわかる。
逆境のときにこそ、真価が問われるということだ。
野村克也監督も「称賛されているうちは二流、批判されるようになってから一流」という格言を残しているが、この言葉と近しい考え方だと思う。
さらに松陰はこのような名言も残している。
「昔から、順調な人生を送って英雄となった者は多くない。だとすれば、天が私に期待していてくれるものは決して軽いものでは無い。」
ふだんの言葉と行いが遺命となっている。
普段の行いと言葉が全て、ということである。
思い立ったその日から、学問でも何でもやるべきだ。年齢がどうとか考える必要はない。
何かを始める際、つい年齢を気にしてしまいがちだ。私自身、つい引け目を感じてしまう時がある。ただ、そんなことは気にせず思い立ったその時から始めることが大切と説いている。
学ぶというのは、人間が人間たる所以を知ることである。
つまり学問とは、人間が人間たるゆえんを知ることであり、その為に勉強するのであるということだ。経済、経営、商業これらにも必ず「人」が関与するのは事実である。
同じでない人を同じにしようとなどとせず、それぞれの才能を育てることに努めるべきだ。
人材育成に関する言葉だが、私も深く考える点があった。
日本の教育は人と同じを良しとするというベースの教育観念が強い。
人を育てることに関して、あなたならどうお答えするだろうか?
私は「長所をみつけ、そこを伸ばす」という一言が真っ先に思い浮かぶ。
まとめ
今回ご紹介した言葉はごく一部になる。
もっと紹介したい内容はあるが、詳細については是非一度手に取って一読して頂きたい。
本書から学んだことや自分自身に足りていない点などは繰り返し再読しながら自分の中にインストールしていきたいと思っている。
リーダーになる100のルールというタイトルだが、人生訓として学ぶべき点が多い。
ビジネスマンとして結果を出したい人のみならず、今後の人生をどのように有意義に過ごしていきたいかを考えたい方などへもオススメの一冊だ。
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